【世界初のトーキー映画】2022年172本目
無声とトーキーとを混在した映画であり、主人公の歌唱シーンでは見事な歌声が我々に届けられる。
それは、陽気な歌声であったり、母親を想う歌声であり、ジレンマに板挟みになる複雑な感情を"声"にのせて届けてくれる。
物語は、
ユダヤ教徒の司祭長の息子が、父親からの後継教育に反抗しジャズシンガーを目指すというもの。
母親は"あの子が決めたこと"と、息子に寄り添うものの、父親は他文化へと流れていく息子を"もう自分の子ではない"と断絶してしまう。
時が経ちジャズシンガーとして着実に有名になっていく彼と、後継ぎないまま病にふせてしまう父親の心情を、間にいる母親の心情と共に描き上げる。
自らがメインのショーで華を添えるか。
見捨てられた実の父親の危篤に立ち会うか。
このジレンマと、彼の覚悟をトーキーのメリットを活かして演出しています。