ブエノスアイレス二郎

フルメタル・ジャケットのブエノスアイレス二郎のネタバレレビュー・内容・結末

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

2回目の鑑賞。
戦争映画の中では個人的ベスト。
2時間の映画であるはずなのに、中身がたっぷり詰まっていて2時間以上のものを楽しめる。

構成としては2部構成で、前半が海兵隊訓練基地での鬼教官ハートマンと、新兵たちのやりとりが中心となっている。後半はその新兵たちが実際に戦地に赴き、戦争の残酷さを身をもって体感する。

前半の見どころはハートマンの信じられないくらいの暴言と微笑みデブの変貌。
ハートマンは信じられないような言葉を口にしまくる、とにかくひどすぎる(笑)
翻訳の人頑張ったんだろうなあ
そして微笑みデブの方は最初はニヤニヤしていたデブが次第に狂気に満ちたデブになる。
変貌具合がすごすぎて、役者さんの演技力の高さを感じます。
ついでに言うと前半部分では、キューブリック映画で特徴的なシンメトリーな構図が多く見られるのでそこもオススメです。

後半は観てのお楽しみって感じですかね。

総括すると、戦争では兵隊の個人としての尊厳、自由、存在を否定し、モノとして大量消費する。兵士はより多くの相手を殺すために消費される。生来必殺。まさにジョーカーのヘルメットに書かれていた
「Born to Kill」と同じ。
戦争の実体をリアルに描いた貴重な作品なのではないかと思います。