せーじ

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのせーじのレビュー・感想・評価

4.6
BSプレミアムで初視聴。

よくこんな作品を映画にしたなと思う。
まさに「気持ち悪い」。

というよりこの作品は、人間の「気持ち悪いところ」を、暴きまくろうとした作品なのかもしれない。
それこそ、愛すら、性すら。
そしてそれは、シンジのような他者との繋がりを拒んで、限りなく繋がりを持たずに生きようとしている人間ですら、回避不可能なものだとこの作品は言っている。ただ言うだけではなくてこんな大掛かりな方法で論破しようとしている。

その発想自体が相当「気持ち悪い」。
(こんなこと書いてる自分もそうなのだろうが)

でもこの作品は「気持ち悪い」ことを否定している訳ではない。自分には、そういう風に出来ているんだ、と説いているように思えた。もちろん、それが全てだとは一言も言ってない(そんなことを言いふらしていたら、ミサトさんに全力でぶん殴られるだろう)。普通の大人は、そういう存在であることをある意味受け入れながら、或いは見ないふりをしながら生きているんだよ、と言っている気がする。
観た人間ひとりひとりを、何も言わずに赤い海に顔を押しつけようとしないだけ、まだ優しいのかもしれないなあ、と思ったりもした。
せーじ

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