三次元からきたブロンディ

ラ・スクムーンの三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

ラ・スクムーン(1972年製作の映画)
3.8
記録

ジャン=ポール・ベルモンド傑作選15本目

元裏社会の人間でもあったジョゼ・ジョヴァンニが書いた小説『ひとり狼』を映画化し、自身が監督・脚本を務めたフレンチ・ノワール作品。本作の前に原作は1回映画化しており、それが同じくベルモンドが主演した『勝負〈かた〉をつけろ』である。
ここではジョヴァンニは脚本を務めていたが、映画の解釈が納得が行かず、その10年後に新たにリメイクしたのが本作である。

リメイク版もベルモンドが主演を務め、彼のクールでスタイリッシュな人物像には魅力が光る。ヒロインには『大盗賊』以来となるクラウディア・カルディナーレが務める。

ここでのCCはセクシーで、目を奪われる。音楽を担当したフランソワ・ド・ルーべの軽妙なスコアも耳に残り痺れる。本作はカルト的な人気となっているが、今観るとその人気が分かる様な気がした。

この映画でベルモンドは二丁拳銃を使用するが、この二丁拳銃は後にジョン・ウーの香港ノワール傑作『男たちの挽歌』でオマージュされた。チョウ・ユンファが使用する二丁拳銃は本作から来ている。