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ウンベルトDのkazu1961のレビュー・感想・評価

ウンベルトD(1952年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-062 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-519

🖋これが“ネオリアリズモ”の不滅の名作なんですね。。。“ネオリアリズモ”だけあって、最後までリアリズムを持って現実を表現するので、やはりラストまで重く、切なく、そして完全に痛い作品ですね。。。でもラスト10分で完全に心を鷲掴みにされました。

🖋本作、『自転車泥棒』と『ひまわり』を描いたネオリアリズモの巨匠ビットリオ・デ・シーカが描いた天涯孤独な老人と彼の愛犬が辿る苛酷な運命の物語。系譜なは『自転車泥棒』の系譜で、孤独な年金生活者を主人公に“貧困”をテーマに描いた作品。どんどん落ちていく主人公を容赦なく描いています。しかしながら本作はかすかな光も一方で描いています。それは、孤独な老人が飼い犬に寄せる心からの愛情が感動的に描かれているところ。。。これが入り混じったクライマックスはもうホント心がグサリとやられてしまいます。

🖋そしてその製作の方法も『自転車泥棒』、非職業俳優とロケーション撮影を駆使して作り上げた“ネオリアリズモ”を代表する一本です。本作もありがちに興行的には大失敗、しかしながら後にアッバス・キアロスタミ、シャンタル・アケルマンら世界の名だたる映画監督が本作を敬愛したことによってクローズアップされた作品でもあります。

🖋マーティン・スコセッシも『マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行』で、同作を取り上げ、「ネオリアリズムの極限。為すすべもなく立ちつくすとはどういうことかを描いている。人間の経験のとてもベーシックなレベルを。デ・シーカからの大切な贈り物だ。彼の父親と、われわれへの。」とコメントしたそうです(参考:Wikipedia)。

😨Story:(参考: Amazon)
ローマに暮らす元公務員の年金生活者ウンベルト・ドメニコ・フェッラーリ(カルロ・バッティスティ)は、家賃滞納を理由に20年来住んでいるアパートの部屋を追い出されそうになっていた。アパートの部屋を男女の逢引き用に時間貸しして金を稼いでいる女家主はウンベルトに冷たく、彼は住み込み家政婦の娘マリア(マリア・ピア・カシッロ)に何かと助けてもらいながらなんとか部屋に居座っていた。所有物を売るなどして部屋代を工面しようとしたウンベルトだが、遂に万策尽きて部屋を出て行くことを決意する……。

🔸Database🔸
・邦題 :『ウンベルト・D』
・原題 :『Umberto D.』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1952
・日本公開 : 1962/10/01
・上映時間 : 87分
・受賞 : ※※※
・監督 : ヴィットリオ・デ・シーカ
・脚本 : チェーザレ・ザヴァッティーニ
・原作 : ※※※
・撮影 : G・R・アルド
・音楽 : アレッサンドロ・チコニーニ
・出演 : カロル・バッティスティ、マリア・ピア・カジリオ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
ネオレアリズモの巨匠ビットリオ・デ・シーカが、貧困にあえぐ孤独な年金生活者の苦悩を描いたドラマ。敗戦後のローマ。元公務員の老人ウンベルトは、わずかな年金を頼りに愛犬とアパートで暮らしているが、家賃を滞納し立ち退きを迫られてしまう。年金の引き上げを求めるデモに参加したり、身の回りの物を売って金を工面したりしようとするも上手くいかない。アパートで下働きする娘マリアからは、2人の兵隊のどちらかの子どもを妊娠したと打ち明けられる。キャストのほとんどは演技経験のない市井の人々で、主人公ウンベルト役には現役の大学教授だったカロル・バッティスティを抜てきした。
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