zhenli13

フォーエヴァー・モーツアルトのzhenli13のレビュー・感想・評価

4.2
なんかわからんが面白いなと思いながら最後まで観た。
前半は音または画を次に引っかけてぶつ切りにする、特に音が次のシーンと重なることで直前のシーンも同時並行で進行しているようなのとか、エモーショナルになりそうなところでぶつ切りにする編集が続く。
サラエボの紛争地に入ったあたりから余裕かましてられない衝撃がある。ほんとに目の前でどんどん爆発したり戦車が走ったりしてて、捕虜になった民間人らしき男女が服脱がされて銃殺されて、セルビア語かわからない言葉がやりとりされる。知的中産階級のフランス人が太刀打ちできない暴力の現実か。

『ウィークエンド』を思い出すようなあっけない残酷さで切り替わり、前半の途中で遁走したヴィッキーという映画監督役の男が後半の主役?となる。後半は編集上のひっかけみたいのは寧ろなくなり割とスムーズに流れていく。ジョン・フォードの『黄色いリボン』への言及もある。前半の主役たちは死体として演者となって再びヴィッキーと相まみえる。女優いじめみたいな禅問答みたいな600回以上におよぶOuiのリテイクで無闇に感動が呼び起こされたかと思ったら、もろ資本主義・大衆主義に翻弄されざるを得ない「映画はつらいよ」なシチュエーションになったり、明らか場違いな人々が招待されたらしき室内楽コンサートでモーツァルトが演奏される。

そういうのを眺めてなんか面白いなと思ってたら終わった。ゴダールの手法というのをほとんど知らないで書いている。


2日前にできたばかりの映画館で観た。
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