YasuyukiMuro

浮草のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.2
小津安二郎監督。学生の頃、モノクロ作品を数本観たけどその時はそれ程ピンと来ず…それ以来の小津作品鑑賞。

冒頭ちょっと退屈かな〜なんて思ってたらとんでもなかった!若尾文子の色仕掛け作戦あたりからは怒涛の面白さ。大詰め、ボクちゃん家で全員集合のシークエンスからの、駅の待合室でのやりとりなど最高!

旅一座を率いる座長(中村鴈治郎)を中心とするちょっと複雑な家族の物語。互いの気持ちが微妙にすれ違ったり再び出会ったり、ぶつかったり、受け流したり。昭和情緒あふれる島の風景と、郷愁漂う音楽がピッタリ合う^_^

カラー映像という事もあるのかな…想像してた小津作品より、ずいぶん躍動感があった。キスシーンとかも何度もあったし^_^

とにかく役者の演技が素晴らしい。中村鴈治郎の、座長や父親としての男らしさと不甲斐なさが同居した感じ、観てて切なかったなぁ。京マチ子は、詰め方が怖い、あわわってなっちゃうな(^_^;)
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