新潟の映画野郎らりほう

イーグル・アイの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

イーグル・アイ(2008年製作の映画)
2.0
【平和憲章の形骸と、テクノロジー及び情報依存社会への危惧】


端的に言えば『主人公が訳の解らぬ状況に巻き込まれ、その訳の解らなさを我々観客も一緒に体験する』タイプの映画。

主人公は突然[絶対的強制力とサポート能力を有する謎の者]に従う様 指示を受けるのだが この謎の者が誰なのか? そしてその目的は何なのか? の二点で引っ張りつつ 飽きさせないよう途中、爆発やアクションを入れて進行……するのだけど冒頭提示される伏線が そのものズバリ過ぎる為に、プロット上のキモである《謎の者が誰で、目的が何なのか》が早々にバレバレなのは大いに難だυ

開始5-10分くらいで先の展開が見えた私は[結果・結末ではなく そこに至る過程]を楽しむべきになるのだが、正直 カーチェイスや爆発等の派手な視覚的アクションも 全体像に迫る心理的サスペンスの配分具合にも いまいちノレなかったυ

行き過ぎたテクノロジーと情報化社会への危惧。 如何様にも解釈する平和憲章の形骸化、等の込められたメッセージは良かったのだが。




《劇場観賞》