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ミツバチのささやきの10000lyfhのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.0
内戦後の 1940年頃のスペインの田舎町で、幼い少女が観た映画(フランケンシュタイン)の内容を現実に投影。子供時代の様々な体験を、子供の感覚で受容し、子供ならではの混乱もそのままに映像化。なので、明示的な説明がなく、不明瞭な事象が多い(冒頭で母が手紙を書く相手は?姉が死んだと見えたのは幻影?列車から飛び降り廃屋に隠れた男は?彼を殺したのは誰?なぜ?)。この手法のデメリットは、雰囲気映画になりかねないことで、本作も逃れられてはいない。映像は瑞々しいという形容詞がぴったりの美しさで、本作の重要な要素(蜂の巣のような六角形格子模様ガラス越しのオレンジの光、定点カメラで昼夜に渡る時間の経過を示す速回しワイドショット、うねる道、線路、井戸のある廃屋、少女が隠れる廃墟)。OP のイラスト可愛い。劇伴はスペイン?のギター系弦楽器と笛のシンプルなもので、劇伴のない静寂シーンには緊張感。エンドクレディットの曲では、一般のフルートとハープが使用されているようだ
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