不良達の青春
柵の外に立って何回手を叩けるか競う根性試し。物静かな九条が8回という新記録を出してしまったことをキッカケに、仲間同士の関係が徐々に壊れていく…。
松本大洋の短編集「青い春」に収録されている「しあわせならてをたたこう」をベースに実写化された本作。
収録短編それぞれを膨らませ、見事にひとつの映画としてまとめ上げていました。
豊田監督の作品を初めて観たのは、確かコレだったはず。
ミッシェル・ガン・エレファントの曲が効果的に使われていて、たまらなく良いんですよね〜。
冒頭、不良達が屋上を横並びで闊歩するシーン。あのスローモーションと"赤毛のケリー"が流れてくる所とかホントかっこ良いのよ。
対照的な2人の主人公を演じた松田龍平さんと新井浩文さん。終始クールな松田さんに対し、ゴリッゴリに荒れまくる新井さんには笑っちゃいました。
登場人物たちが個性的で、それぞれのエピソードがインパクトあります。
特に、マメ山田さんが演じた先生が良いキャラしてんだ。彼の言葉は心に響きました…。
初見時には気付かなかったんですが、ピースの又吉さんがチョロッと出演していますねw
大人になって観返してみると、また違った感想を抱いたりもします。
学校生活の中で悩み、もがいている登場人物たち。それって小さいコミュニティの中での出来事なのよね。卒業してみれば、学校を離れてみれば、周りにはこんなにも広い世界が広がっているのに…。
今になってみれば、なんであんなちっぽけなことで悩んでたんだろう?と思うこともあります。
でも、学生時代にそれに気付くのは難しいんよなぁ。
正直、不良とは縁遠い学生生活でしたし、不良は怖いですし、不良漫画もあまり好きでは無いのですが、「青い春」にはなぜか惹かれるものがあります。
血生臭いシーンもあったり、少々重たい内容なんですが嫌いにはなれない…。
そんな映画です。