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スカーフェイスのabeeのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.4
【裸の王様、白い山の頂より墜つ】

知ってか知らずか近頃世間を賑わす「コカイン」映画を久々に鑑賞。

大学生の頃、使っていた授業用のノートに「スカーフェイス」のポストカードを貼っていました。
それくらいには昔から大好きなこの作品。

キューバからアメリカへやってきた青年トニー・モンタナのアメリカン・ドリーム、盛者必衰の物語。

私の中でアル・パチーノといえば「ゴッド・ファーザー」より「スカーフェイス」。
それほど大好きな作品で改めて観てやっぱり好き。

まるでオペラ舞台のように演出されたトニーの屋敷での銃撃戦やトニーの心の昂りを表す不穏な音楽などどれを取ってもヴィジュアル面は申し分無し。
中盤辺りで登場するクラブなんかは鏡張りの壁がいい仕事してました。

ただ難点なのは尺が長い割に人物描写が不十分なこと。
トニーに関してはキューバ時代の話がほぼ無いため現在のトニー・モンタナたるバックボーンが見えてこずただのサイコパスみたいです。

この作品てオペラやミュージカルっぽい気がするのです。
舞台演出はもちろんなんですけど、セリフの入れ方とか静と動の緩急のつけ方とか、上手く言えませんがやはり持っている雰囲気が堅気の映画とは違います。

ということで、決して万人ウケしそうな作品ではありませんが、最後の銃撃戦だけは一見の価値あり。
映画の初っ端からスプラッタ映画もびっくりな残虐シーンがありますからね。シャレにならない血の量ですから。強くはおススメしません。

それに私の記憶はやはり捻れており…
最後の銃撃戦ではアル・パチーノが粉まみれになりながらマシンガンをぶっ放していたように記憶してたのですが…記憶の中で誇張されていたようです笑
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