このレビューはネタバレを含みます
父親と喧嘩をして家を出た男が20年ぶりに家に帰り騒動を起こす話。妹の櫻の結婚を主軸に、自身の淡い恋も含め、笑いと涙、下町の生活を描いた作品。
日経の「私の履歴書」で倍賞千恵子の男はつらいよの渥美清との絡みが書いてあり、興味が出て鑑賞。フランスでもとても評判がよいらしい。
なかなか面白かったし、観終わった後は妙な爽快感があって、確かにこれは人気になると思うが、妹の櫻が優しすぎて泣けてくる。私ならこんな兄、殴り倒す気がする。
今よりももっと女性の地位が低い中、下町の女たちはそれでも強く逞しい。現代から見ればそれでも今より地位は低いが、しかし、当時の女性たちは力や勇気をもらったに違いない。
そして世の男性はこれを観て、もしかしたら憧れを抱いたかもしれないが、なんでも人が良ければ許されるってもんじゃないよ、あんた。という気分である。
他人のことをズケズケ言って怒らすくせに、自分が言われるとめっちゃ怒る。だめな男である(笑)それでも憎めないのは、要するに渥美清だからである。