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上意討ち 拝領妻始末のkoyamaxのレビュー・感想・評価

上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)
4.0
武家社会の不条理、矛盾に憤る。。

現代においても権力者の理不尽な都合に振り回されるのは本当に腹が立ちます笑
その構図は今も昔も変わらないかんじですね笑

時代劇における殺陣はリアリティのおとしどころがかなり難しいところだとおもってます。切られて血が出ないこともありますし、逆に切株映画的に血飛沫、出まくるような出たら出たでケレン味強すぎたりして、、

物語の主軸はあくまで理不尽な要求に立ち向かう侍の話なので
対決自体が主軸というわけではありませんがこの映画には三船対仲代があります。

物語を追っていくと展開することに興味が行きがちですが、ここでは展開する直前、対決に至るまでの溜めの時間の醍醐味を感じました。
口火を切るまでの臨界点といっていいかもしれません。そしてどちらが勝ったとしても痛い。。

知己の仲であったとしても
いくところまで行くしかない。
お互い譲れない自分の道を貫き通すしかない。刀を抜いたら後はもう無い。少なくとも数分後にはどちらかの未来は無い。
そのひりつく感じが素晴らしいです。
そして、そのバックボーンのぶつかり合いにこそ刃のリアリティが宿っている感じがしました。

物語自体の見所も多いのですが、
最後は三船敏郎の濃厚なテイスト×仲代達矢の濃厚なテイストが凄いです笑
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