馬井太郎

残菊物語の馬井太郎のレビュー・感想・評価

残菊物語(1939年製作の映画)
3.5
映画の見どころのひとつ、造られた当時の、または舞台となっている時代の生活様式・文化がどのようなものだったかを知るところにある。
1939年制作、太平洋戦争直前の時代、若者は、兵隊にとられていた。出演者の多くが中高齢なのは、このためだ、と私は思う。
そして、普段着が、和服だった。襦袢、長着、下帯、角帯を手際よく絞める動作を、カメラがとらえる。この花柳章太郎の動作が、見事である。今では、こういったシーンを、観ることは殆どないだろう。
死ぬまでに、いち度は、観ておきたい映画のひとつではないか、と思う。