彦次郎

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編の彦次郎のレビュー・感想・評価

4.2
地球連邦とジオン公国の一年戦争を描いたシリーズ最終作。数多のガンダム作品の中でも恐らくは最高峰。
満身創痍なガンダムが天に向かって撃つシーンはポスターで見た時に震える程のカッコよさを感じたものです。
宇宙(そらと呼ばせるセンス!)での死闘がメインですがアムロの親父さんの乱心など人間ドラマも充実しております。他にも演説中に「カスである」と断言してしまうオールバックなヒトラーの尻尾、古武士の様で家族愛に満ちた顔面ゴリラなドズル、スカした台詞でミライさんと観客の心に生き様を刻んだスレッガー中尉など濃いメンバーと名言が多いです。
ニュータイプなるよく分からん概念の先鋭インド風美少女ララァはシャアとの妙に大人びたやり取りとアムロとの感覚の先端をいくような謎会話によりミステリアスさが増していました。
3部作を通してだとやはりシャアの存在感が大きいです。今作でも妹にツッコミを入れられるぐらい行動に一貫性がないところが有りますが、この浮き草的な貴族みたい面と顔に似合わない図太さと生命力が仮面を付けたキザな悪党に終わらない魅力を放っていると思います。
ラストは人の繋がりの大切さが感じられて感動的でした。
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