新潟の映画野郎らりほう

ディープ・インパクトの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)
4.3
【世紀末ディザスターの良作】


VFX技術が飛躍的向上を遂げ 説得力ある映像表現が可能となった20世紀末に、雨後の筍の如く頻出したディザスタームービーの中でも 特に良く出来ていた一本。
当然 スペクタクル映像が作品最大のキモとなるのだが、実は「科学・行政・民衆心理考証等の予測行動シュミレーション」とゆう 地味ながらも重要な細部を先ず徹底構築した上に キモとなるVFXを使用するアプローチを成しており、『映像ありきで細部を顧みない多くのハリウッドSF』とは 大きく異なっている。

宇宙空間作業時に於ける「無限空間恐怖」の表現が秀逸で、特に水蒸気噴出時の永久慣性を残酷に映し出した 宇宙服ヘルメット内からの撮影には目を見はった。

地上家族・マスメディア・大統領執務室・彗星破壊船等を複数錯時する構成も、 感情を刺激するドラマの提示・冷静な状況説明・爆破ミッションのアクション性と映像的ケレンミ・事象に対する微視と巨視の対極的視点の付与へと完全に昇華されていた。

演技以前に その強い存在感を刻印したフリーマン、デュバルらの「キャスティング」もベストワークだ。




《劇場観賞》