八木

ハングリー・ラビットの八木のレビュー・感想・評価

ハングリー・ラビット(2011年製作の映画)
3.4
 レンタル屋に行くと大体アクションの端っこのほうにニコラス・ケイジ主演の何かがレンタル開始されていて、いつも「あるな」と思って、時々見て「大体似た感じだな」と思って記憶から消え去るのですが、これはどういった現象なんでしょうかね。

 ハングリー・ラビットでは、必殺仕事人的な秘密の組織と関係を持ったニコラスケイジが、いろいろあってしょんぼりフェイスで巻き込まれながら事件の真相に少し近づいて解決した風な感じになる、というものです。こいつ大体しょんぼりフェイスで女抱いたり暴力振るったりしてるな。
 国語教師にふさわしくないオスむき出しの肉体とか、若干キャラの立った不良生徒の存在が活用されてなかったりとか、組織自体の運用は金や謎すぎる暗躍スキルが爆裂に必要なわりに、どう金が発生しているのかは不明で、それらすべてのもにょもにょした感じをニコラスケイジ(一単語)がしょんぼりフェイスで頑張っている様子を見て、「うむ、ならば良し」と適当に納得できます。
 サイモンをスーパードームで一瞬連れまわす感じとか必要だったんですかね。
 とはいえですね、一応のところ「法を超えた私刑の執行」について、非常に適当な軽さで考えさせられるような要素もあったり、ほぼ何でもアリな組織のスニーキングを見せることで、秘密に触れた瞬間くらいから魔術的なスリルを発生させることに成功してたりと、映画っぽい楽しさはそれなりにあります。頑張って見る必要の全くない、凡百の映画から抜き出ようとしない方向にプロの技術を振っている映画だと思いました。
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