八木

ダイヤルMを廻せ!の八木のレビュー・感想・評価

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)
4.5
 推理ものかと思ったら、犯人は序盤に明示されたあとにくる、様々な「計画と違うこと」に対してドタバタするのを半笑いで眺めるという、あんまり細かいこと考えなくてもすごい楽しい映画でした。こりゃ名画ですな。
 すべてを知っている人間が、観客と犯人だけなので、絶対に安全な位置から見てられるというのが特別感あってエンタメ力高いと思います。主役で犯人のトニーが、ドヤ顔で計画を話したあとから終わるまでに、「え?急になんで?」「やめて計画と違うこと…」っていう表情どんどん出していくが最高です。
 流石に背中にハサミが刺さって死ぬ大の男というのは中々不思議だったり、死刑執行までのスパンがすごく短かったり、不思議な部分もあったんですが、鼻がへし折れていく人をまるでそういう映画じゃなかったようなスタート位置から見せていく見事な演出でした。これ1954年てすごすぎるでしょ。
八木

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