八木

ホワイト・ストームの八木のレビュー・感想・評価

ホワイト・ストーム(2019年製作の映画)
3.0
二時間ドラマの金かかったやつ、という感じなのでまったり鑑賞するのにちょうどよいと思いました。
とにかく人間ドラマを力づくでウェットに見せ、男臭い登場人物たちのスーツ姿や髭面を楽しみながら、おそらくここありきで製作したと思われる後半怒涛のカーレースのせり出した感じなども含めて、おめでたい感じがします。細かいことは考えずに、楽しめました。

とりあえずは、「麻薬いけない」というメッセージを啓発CMのような速度で繰り出すところは歪にはなってしまってます。麻薬をやっていいこと何もないし、麻薬に関わったら後悔ばっかりだチクショウ、いいや俺たちヤクザは麻薬で稼ぐのよ稼いで何が悪いのよ、そうしてる間にまた巻き込まれて不幸な出来事が起こり、もう怒ったぞとなります。
一切文句ないですね。麻薬ろくなことないですよ。やったことないですけど、相当ろくでもないと聞いてます。それに伴って不幸が巻き起こるし、たしかにろくでもない。発生したドラマにいちいち文句はなく、登場人物たちはだいたいスーツダンディおじさんなので眼福となっており、反論した記憶はないものの、とにかく説得されます。一切の深みがないつくりです。
そして少し述べましたが、唐突に金のかかったカーチェイスのシーンが最終盤結構長くあります。アイディアも盛り込まれていて、とても楽しい場面でした。ただ、唐突にそのような映画だったということがわかるため、統制のとれた映画とはいえないと思います。

この映画は、商品として盛り込むべきと考えたチェックポイントを順次脚本に盛り込んで、何をやりたい映画だったのかよくわかんないことになっている気がしないでもないです。ただ、チェックポイントは確かにクリアしていると思うので、真剣に映画のクォリティに文句つける人いなければ、乾きを癒してくれたと感じる人もそれなりにいて、映画の歴史に全く残らないのがよい部分ではないでしょうか。
八木

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