八木

オペレーション・フォーチュンの八木のレビュー・感想・評価

3.5
「何でもできそうで何でもできるステイサムを主役とすることで、カサついた粘膜に潤いを与えることを目的とした映画」っていう意味で考えると、ガイ・リッチーは意外とそういうステイサミックムービーを手掛けていないのでは、という気がしました。スナッチかリボルバーがそんな感じだったような気がしなくもないですが、この映画は拍子抜けするくらいストレートに、無敵のジェイソン・ステイサムを描いています。よって面白いです。女は抱いてません。
ガイといえば良い軽薄さを劇中途切れることなく配置してくれるイメージでして、この映画では例えば、オペレーションに巻き込まれたイケメン俳優役のジョシュ・ハートネット、武器商人役のヒュー・グラントが文句とかじゃなく軽薄なコメディ感をずっとまとってて、映画全体をポップにしていたと思います。あとPC強いサラの真顔で嫌なこと言う簡単なギャップや、彫り深すぎて眉毛の下洞窟みたいになってるステイサムがなんかヤレヤレ的なセリフ吐いたり、上司のネイサンに理不尽に強気な態度に出るステイサムや、眉毛を八の字にして情けない(情けなくない)演技を一瞬見せてくれたりするステイサムを見て、絶対に歴史に名を残す映画にならないぞ、という意気込みを感じます。

潜入捜査のパートが後半のメインになりますが、どうしても最新便利ギアが溢れすぎる現代で、仲間も多けりゃハイテクソリューションと実現する技術も満載であるため、緊張感を維持するのは難しいかったです。しかし、「ずいぶんマッチョなマネージャーだな」というセリフの登場でニッコリしている人間が、別に喉が絞まるような緊張感を求めているわけもありません。最後にめっちゃ悪いやつが悪さを持って悪いやつに制裁される気持ちよさもあって、楽しんで見られました。
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