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女殺油地獄のNMのレビュー・感想・評価

女殺油地獄(1992年製作の映画)
4.0
五社版。
おきち(樋口)は、油屋の息子・与兵衛(堤)の乳母。夫と幼い子どもたちがいる。
その与兵衛は油屋元締めの一人娘に入れ込んでしまい、商売をできなくするぞと方々から怒りを買っていた。
お吉は止めるが、二人は止められると余計に意地になる様子。
一方でお吉の与兵衛に対する関係性も妙で、お吉は何も良識ばかりで止めているのではないらしい。
男女として近づいていく二人……。

乳母とその息子の恋愛というテーマは世界でよく見かける。本作でははじめは乳母のほうが、のちに男の方が熱を上げる。もとより若く短絡的な性格の与兵衛はブレーキをかけない。

花祭りで歌っている二人娘の片方がオセロの松島にそっくり。


メモ
笊……いかき。ざるのこと。竹の薄片などで編んで、円く、くぼんだ形につくった器。大阪ことば。
まましい……継しい。親子・兄弟などが血のつながっていない関係である。腹違いの間柄である。「―・い仲」
はばかりさん……憚り様、恐れ入ります、ご苦労様。
心中箱……遊女から心中立てに送られた髪・爪・起請文などを入れておく箱
起請文…… きしょうもん。神仏に誓約する言葉を書き表した文書のこと
「天神橋ゃ長いなぁ、落ちたらこわいな」……わらべうた。長さと転落事故の多さから。
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