マヒロ

ゴジラVSモスラのマヒロのレビュー・感想・評価

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)
3.0
人類による環境破壊に警鐘を鳴らすべく現れた破壊神・バトラと守護神・モスラは、隕石によって目覚めてしまったゴジラと対決することになる……というお話。

ゴジラシリーズ19作目。
今作ではお馴染みモスラに加えて新怪獣のバトラも出現。パッケージだけ見て、モスラがエラいイカツイデザインになってるなと思ったらこれはバトラだった。

前作はSF映画に対するオマージュが過ぎた感じがあったが、今作では初っ端フェドーラ帽を被った別所哲也が遺跡に忍び込んで何やらお宝を狙う、というモロに『インディ・ジョーンズ』なシーンから始まり、相変わらず洋画からの影響を隠さないスタイル。とは言え、今回はそれくらいで後は普通にいつものゴジラだけど。

突如現れたモスラのタマゴを商業利用しようとする観光会社の社長や、日本に持っていかれるタマゴを返してもらおうとやってくる小さな双子(今回は小美人ではなくコスモスと呼ばれる)など、昭和シリーズの『モスラ対ゴジラ』の登場人物と似たような立場のキャラクターがチラホラ。さすがにインファント島の原住民達はもう日本人が黒塗りで演じたりはしてなくて、安心すると同時にちょっと物足りない気持ちもなくもない。

環境破壊に対する警鐘みたいなメッセージも含まれてはいるけど、結局ゴジラが現れてメチャクチャにしていってしまうのでそこら辺は有耶無耶に。本来だったらバトラが人間を粛清して、モスラがそれを阻止してバランスを取るような形だったのかな?
地球目線で見ると、環境破壊やら公害やら戦争やらで地球をボコボコにしている人類をやっつけてくれるバトラの方が守護神っぽい気がするが、モスラがそこまで人類を護ってくれる理由ってのはなんなんだろう。劇中では「そういう使命だから」でサラッと流されてたが。

成虫モスラの羽ばたく動きが昭和時代以上にぎこちなく見えたのが若干気になったが、モスラが国会議事堂に繭を作るシーンの得も言えぬ美しさや、三体の怪獣が個人的に馴染み深いコスモワールド付近で三竦みで大破壊を繰り広げるシーンなど、特撮面では割りかし満足出来た。ただ、決着のつけ方が前作の『vsキングギドラ』とほぼ同じなのはもうちょっと何とかして欲しかったかも。

(2019.133)
マヒロ

マヒロ