昨日観た映画『スイミング・プール』が
今風のスタイル抜群のピチピチギャルだったので
無意識に題名から同じようないイメージを持って
この映画を観だしたが
当初からモノクロ、古い映画だったので
面くらった
内容は二面性あって
当初牧歌的。ボートでの旅(逃避行?)は
これ以上無いくらい自由を満喫できるものだった。
ちょっとイメージは違うけど、
『イージーライダー』に匹敵するか、
社会への露骨な反抗・批判が薄い分
それ以上に自由を感じた。
そのピュアな感情は
男性の初めて自分の子どもをガラス越しに見る
印象的なシーンまで続く。
さらに言うなら
個人的にこの映画で
もっとも心に残るシーンは、
旅の途中運転席の前デッキに彼女を
横たえたまま出航するところ。
そしてもう一つの面は
現代に通じる親の育児放棄。
奇しくもここ数日千葉県野田市の父親による
小4女子への虐待死が問題になっている。
この映画は母親。
いつの時代もこういう問題は
根強く社会にある。
前半が牧歌的だっただけに
後半の生活苦と母親の問題ある性格が
悲惨さを増している
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話は違うが先日岸田秀の新刊がでた。
最後の唯幻論の触れ書きがあったが
「『母の愛』に苦しめられた」ともあった。
この映画は放棄。反対に岸田秀のように
過剰干渉に子が苦しめられる親子問題もある。
ある種野田市の問題は後者なのかも知れない。
どちらにしろ現代社会の闇。
この古い映画にもそれが描かれているあたり
映画の先見性とか
人間は変わらぬ過ちを犯す愚を
感じたり考えさせられたりした