このレビューはネタバレを含みます
ソ連製の戦時ロードムービー。
シューラとのエピソードに尺を割きすぎてて、
母と時間を過ごせなかった悲しさがテーマなのか、
それともシューラとのプチロマンスがテーマなのかわからんくなってるのがちょっとなあ。
って思ったけどさ、
よくよく考えたら、
石鹸のエピソードの差し挟みかたを見ると、
あれだな。
戦場へ行った大事な人を待つ人たちの姿を等しく描こうとした映画なんだな。
父。
母。
恋人。
妻。
ただ生きて戻ってほしいと願う残された者たち。
でも実際にはほとんどが戻れなくて、
だから残された者たちの中にも、
もう戻らない前提で考えてる人もいる。
帰りを「待つ」ことは、
とても苦しいことなのだ。
惜しむらくは、
冒頭の母のシーンをやっぱり最後に持ってきてほしかったなあと。
アリョーシャはもう帰らなかった。
ってことが最後にわかったほうが悲しみが増すと思うんだけど、
もう帰らなかったことがわかった状態で個々のエピソードを見たほうが虚しさを感じる。
というのもあるから、
そこは価値観の違いもあるのかもだけど。
母の悲しみをもっと感じたかったなあ。