サラリーマン岡崎

レディ・イン・ザ・ウォーターのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

3.9
みんなはこの映画嫌いかもしれないけど、
俺はそこまで嫌いになれない…。

シャマランの中でも、
『サイン』はあまり好きじゃない。
(実は俺のシャマランデビューはこの『サイン』だったりする)
ただのSFやん??って感じで、
作る意味がマジでわからなかった。
(まぁ、観た時小学生だったんで…)

でも、本作は完全にシャマランの思想を反映した宗教映画であった。
俺はシャマランだと『アンブレイカブル』『ミスターガラス』がダントツに好き。
シャマランのヒーローに対する考え方を広めるための宗教映画であるから。
だって、世の中にこんな考えがあるんだって知るのは面白いじゃん。
スーパーヒーローが存在することの良さと悪さ。
結末の是非は置いておいて、
いろんな価値観に触れられるのは映画の醍醐味。

今作も実はヒーローについて描かれていると思う。
みんなが言っているように、
話はとても小さなもので、
アパートに迷い込んだ水の精をアパートの住人達で元の国へと帰すだけの話。
でも、そんな平凡な人たちが彼女を帰す為に必死になっているのは、
なんだかヒーローのよう。
「物語の主人公は自分が主人公であることを自覚していない」
劇中でそう水の精は言う。
彼女を帰す為に必要となる役割の人たちも
その自分の役割を自覚していない。
でも、自分だって何かしらのヒーローかもしれないし、
こうやってみんなで結集すれば、
世界を救えるかもしれない。
御伽噺で子供たちにこのことを伝えられたなら、もっと面白い社会になりそう。
このアパートが人種のるつぼになっているのも、世界平和を願っているよう。

そして、ヒーローたらしめてる要因として、
その人が何かに苦しんでいるからこそ
ヒーローになれたということも伝わってくる。
苦しんだからこそ、その後悔から、
強くなり、誰かを守りたいと言う気持ちが生まれる。
例え傷ついたって、誰かのヒーローになれるのだ。

なんか、こう書くと、すげぇかっこいい話じゃん。
確かに行き当たりばったりだし、
盛り上がりはない映画だけど、
とてつもなく希望が持てる映画ではないか!

自分も何かのヒーローなのかなぁ、
なんかそう期待してしまう今日この頃。
(やっぱり、シャマランは厨二)