ペコリンゴ

スティーヴン・キング 痩せゆく男のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.3
記録。
連鎖する呪い。

スティーヴン・キング原作のオカルトホラー。キング自身もちょい役で出演。タイトル通り急激に痩せていく男の恐怖を描く。

ダイエット中の超肥満体弁護士ビリーは、飲酒運転によりジプシーの女性を撥ねて死なせてしまうが、馴染みの判事と警察署長の協力で事件を揉み消す。無罪放免となったビリーの元に現れたのは亡くなった女性の父親であるジプシーの長老。彼はビリーに「痩せてゆく…」と囁いて去っていく。長老の言う通り、いくら食べても痩せてゆくようになったビリー。当初こそ喜んでいたのだが…。

特殊メイクによって巨漢に変身したのは二代目ロボコップことロバート・ジョン・バーク。完璧に自然かというと…うん、まぁ25年も前の作品なので大目に見てあげましょう。

ジプシーの呪いによって痩せていくわけなんですが、急激な体重減少が丁度イイとこで止まってくれるなんてことは勿論無いんですよね。食べても食べても痩せていくなんて、なんとも羨ましい気がするけど、実際我が身なら結構怖いかも。期間限定なら是非とも呪って頂きたいですが(笑)

意外だったのは、呪われただけでは終わらず発展していくビリーとジプシーの諍い。目には目をと言いますか、明らかに自分に非があってなお、こうなってしまうのは分かる気もする反面、醜いなぁって。

骨と皮になる恐怖より、何食わぬ顔した人間の内に潜む黒い部分こそが本作イチの恐れポイントでしょうね。