ベイビー

暗殺の森のベイビーのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
3.7
この赤と青でレイアウトされたキービジュアルがとてもカッコ良くて、どんな作品だろうと調べてみたらベルナルド・ベルトルッチ監督作品だと分かりました。「ラスト・エンペラー」が好きな自分としては、これはちょっと放っておけないと思い、公開最終日に滑り込みで観に行きました。

結果として、いまいち話の内容が掴みきれませんでした。「暗殺のオペラ」を観た時にも感じたのですが、僕が歴史に疎いせいもあり、ファシズムとかムッソリーニとか言われても全然ピンとこず、主人公のマルチェロがスパイなのか何なのかも分からないまま物語を追っていました。作品を観終えたあとにあらすじを読んで、ああそういう話だったのかと分かったくらいで、観ている間はモヤモヤしながらスクリーンを眺めていました。

それでも退屈せず最後まで観れたのは、画角の美しさと撮影技術の高さがあったからだと思います。赤いネオンの光から始まり、炎に照らされた赤で終わる。そして間に青が印象的なシーンも挟まり、キービジュアルにて引き寄せられた色彩が効果的に使われています。

その赤や青のシーンやセリフの一つ一つ、華やかなダンスシーンなどにもなんらかの意図や意味が隠されているとは思うのですが、自分の理解が及ばず残念。

もう一度観る機会があれば、しっかり歴史的背景を勉強してから挑みたいと思います。
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