あまのかぐや

聖なる狂気のあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

聖なる狂気(1995年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

2010.02.09鑑賞

どうやら当時ヴィゴさん目当てで借りたようです。
ヴィゴさん好きにはお勧めといいたいところですが、ヴィゴさんが霞むほど共演者が濃い怪作なので、機会があったら手にとってみてください。
ジャンルとしてはサスペンス?いやファンタジーかな?なんともいいがたいジャンルです。

森の中でさ迷うダークリー・ヌーン(以下リー)。
通りかかった配達業者の青年に助けられ森の中の一軒家に運ばれました。
そこでは、わけあって町にいられなくなったカップル、キャリーとクレイ(アシュレイ・ジャッドとヴィゴ)が人目を避けて住んでいました。

人里はなれた森の中とはいえキャリーの奔放な佇まい。
いっつもぴらぴらのキャミ、ほぼ半裸。そして裸足。
きっとキャリーはパンツもはかない女なんだろうな、と思ったら履いてました。残念。
そしてわき毛は見せてもバストトップも意地でも見せません、残念。

って、そこはまぁいいとして
このころのアシュレイの美貌といったら…!
半開きの形良い口びるからのぞく美しい歯並びにくらくらします。

ストーリーは、リーが一軒家に住むようになってから1日め、2日めと進んでいきます。
(DVDのキャプチャーも日ごとに分割されています)

放浪癖のあるクレイが不在だった1日めからキャリーがリーに対して、ものすごく挑発モードにはいっているのが、なんだかありがちだったのです。

しかしキャリーはクレイにべた惚れで、行動がやや不可解。ただのフシギちゃん?
ややそのあたり腑に落ちないのですが、あとになってクレイの背景が分かるにつれ、それもなるほど、と思えてくるのです。

後半に姿を見せる森の中のトレーラーハウスに猟犬と住むおばあちゃんの存在がスパイスになってます。
彼女によってキャリーとクレイの真実が明らかになり、さらにリーのもとより深い信仰心、道徳心→狂気に火をつけます。

全てが狂気、誰がどの程度とはいえませんがたぶん、みな別方向に相当狂っていて、それぞれの相容れない信念と狂気をぶつけ合って壮絶なラスト(でもこうなる以外ないよなーって想定内)へとなだれ込む。

でも…
以下、ラストネタばれになっちゃいますがリーにとどめをさしたのがキャリーかクレイだったら救いがなかったかもしれない。
彼らのどちらでもなく、リーの理解者だった青年だったのが
わたし的には救いだったように思えます。

えーとあらすじを端的にいいますとそんな感じ。

でもこのあらすじだけでは伝わらない「吃驚」をここに書いておきたいと思います。

まずブレンダン・フレイザー。
厳格な戒律のもとで育てられた
偏執的で鬱屈した目の青年、ダークリー・ヌーン役が、ハムナプトラのブレンダン・フレイザーだと、最初はぴんと来なかった。

「ダヴィンチコード」の中でポール・ベタニー演じる色素の薄い暗殺者がまっぱで鉄条網で自分を戒めてましたね。
あれをブレンダンがやるわけですよ。聞くのと観るのじゃ大違い、あの修行なんて比べ物にならないぐらい痛いのなんのって。ブレンダン、よくぞここまでって二重の意味で「ひーっ」て叫びそうでした。

そしてもうひとつの吃驚が、
クレイ役のヴィゴさんの使い方。アシュレー同様、すごく美しい時期のヴィゴさんなのに。
なんだこれ!なんかもったいねぇ!クレイの描きかたが物足りなくて。口が聞けない野生児で大工って設定はよかったんだけどね。

とにかくブレンダンが体当たりすぎて夢に出そうでした。

そうそう、そういえば。
全身赤ペンキで塗りたくって
出撃準備をするリーの姿に
なぜか「丑三つの村」の古尾谷雅人のイメージがダブりました。

したらアシュレイの半開きの口が池波志乃のそれに見えてくるマジック。
あまのかぐや

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