全力でバカなことはするのだけど、どこか肩の力を抜いたゆるい雰囲気のコメディ。
ニコラス・ケイジの表情が絶妙で、よりそうなるのかもしれない。
冒頭のナレーションによって、よりマヌケさと物語感が演出される。
ハイハイする赤ちゃん目線のカメラワークは臨場感(?)満載で、ハラハラさせられると同時に笑える。
アリゾナ夫妻を映す定点カメラも、その不自然さが滑稽である。
誰が何を追いかけているかわからないような状況のカオスな逃走劇にも関わらず、BGMは呑気な曲調なのもいい。
おバカにしか思えないけど真剣で大胆な取っ組み合いは、ピンチさのよくわかるクロースショット(?)と冷めたロングショットの繰り返しで、よりその状況のシュールさを物語る。
叫び声だけでわかる間接的に状況を伝えるのもいい。
間抜けな脱獄者二人組の隙ありまくりな銀行強盗の、緊張感の全くない雰囲気だけでも面白い。
しかしそんな2人の登場シーンは驚きと緊迫感のあるものであり、そのギャップが最高。
こんなふざけ倒しておきながら、ラストは不覚にもほっこりし泣かされた。