真っ黒こげ太郎

NYPD15分署の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

NYPD15分署(1999年製作の映画)
4.0
この男達にルールはない。

腐敗した町にはルールなど何処にも存在しない。




新興勢力の中国マフィア“福建ドラゴン”による抗争が激しいニューヨークのチャイナタウン。

マフィア壊滅に燃える荒くれ刑事のニック・チェン警部率いる15分署のアジア犯罪取締班に、生真面目な新人のダニー・ウォレス巡査がやってきた。
チャイナタウンで白人の刑事は受け入れられない故に、お互いに反発しあうニックとダニーだったが、死線を潜り抜ける内に2の間に絆が芽生える。
2人はお互いの共通の的であるマフィアを追うが…。




中国系移民の荒くれ刑事と新米の白人刑事がタッグを組み、中国系マフィアと戦いを繰り広げる、刑事アクション映画。
「男たちの挽歌」等で知られるチョウ・ユンファ氏のハリウッド進出2作目で、今回はマーク・ウォールバーグ氏とタッグを組んだ。

今日も今日とてドンパチアクション目当てにレンタルショップでレンタル。
そりゃあ当然だよね。アクション目当てじゃなかったら何のためにアクション映画コーナーを物色するのかと。w


国籍の違う2人の刑事が悪を追う王道な刑事バディアクションだが、どっちかというと香港ノワールの色が強め。
お互いの刑事の汚職や潜入捜査官といった裏の顔が絡み合うハードなストーリーが展開される。
全編チャイナタウンが舞台になってるし、クライマックスの船着き場の銃撃戦もそれっぽい。
話自体は「お互い裏の顔があって…」というよくある感じの話でドラマ方面はまぁそれなりかな。
お互いに裏の顔がバレて対立する展開こそあるものの、何だかんだでお互い相棒として戦うのは潔くて良い。
荒くれ刑事役のチョウ・ユンファさんや、まだまだ若手感のあって細身な頃のマーク・ウォールバーグさんもしっかりと存在感があった。

アクションに関しては、激しい銃撃、火薬の爆破、カーチェイス&クラッシュがしっかり展開。
序盤から大爆発&激しい銃撃戦の連続で幕を開け、その後も要所要所でドンパチしまくり!!!
(チョウ・ユンファ氏に2丁拳銃させるのはお約束なのか。w)
特に中盤に展開されるカーチェイス&銃撃戦はクライマックス級の大迫力!!
銃弾が飛び交い、激しく車がベコベコに壊れまくり&クラッシュしまくりで火薬も爆発し、巻き添えの死傷者の数もハンパない!!!(不謹慎)
火花飛びまくり、爆破の火薬量も多め、ドンパチも派手目で、お目当てのアクションに関しても概ね満足でした。

ただ、中盤のカーチェイス以降、目に見えて激しいアクションが少なくなってしまったのが残念。
中盤の時点でここまで激しいなら、クライマックスはどうなんだろうと期待したら、思った以上に地味な銃撃戦で終わってしまった。
しっかり悪党を成敗して終わってるし、友情を感じる切ないラストは良かったけど、それまでの激しいドンパチに比べるとトーンダウンが否めなかったですね。


「香港ノワール風のハリウッド刑事アクション」という内容は目新しく、「香港映画とハリウッド映画の和洋折衷」という感じだが、刑事アクション映画としてはそこまで斬新さは無かったのが惜しい。
とは言え、今となっては珍しい豪華キャスト2人の共演は今見ると新鮮だし、お目当てのドンパチ成分も補給できたので、基本的には楽しめましたね。
過度な期待は禁物だけど、主演2人のファンの方々やノワール寄りな刑事モノとかが好きな人はどうぞ。