まちゃん

JAWS/ジョーズのまちゃんのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
4.4
ホホジロザメという実際の生物を伝説的な怪物に仕立て上げるスピルバーグの手腕が素晴らしい。まだCG技術の無い時代の作品だがサメの姿を隠す事により観客の想像力を刺激して実体以上の存在として感じさせる事に成功している。背びれのみを水面上に見せる事が逆に人間の力の及ばない水面下への恐怖を呼び起こす。サメに破壊された橋桁や撃ち込まれた樽などサメの存在を感じさせる小道具にもアイデアを感じさせて、それらが迫ってくる時のスリルは凄まじい。また緊迫感を高めて緩める、緩めてからショックを与えるなど緊張感のコントロールは見事だった。特に主人公達がサメ退治に出航した後で最初にサメが姿を現すタイミングは完璧だと思った。後半のサメとの対決シーンでのセリフに頼らず映像でサスペンスを高めていく手法はヒッチコックを彷彿とさせる。若き天才監督の演出力を存分に味わえる傑作。
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