まちゃん

パルプ・フィクションのまちゃんのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
4.9
タイトルロールに入り有名なテーマ曲が流れた瞬間、誰もが傑作だと確信する筈だ。「パルプ・フィクション(三文小説)」のタイトル通り低俗な犯罪者達の物語。下らない会話やジョーク。忘れ去られた古い音楽。いわばガラクタをかき集めて出来上がった作品だ。しかし、その全てが堪らない。タランティーノの血肉となったアメリカの大衆文化のエッセンスが画面全体に漲り一秒足りとも退屈な瞬間が無い。この作品は複数のエピソードから成り立っている。「犯罪カップル」「ギャングコンビの仕事」「ギャングのボスの妻と手下」「八百長ボクサー」「掃除屋」。魅力的なキャラクター達がある時は主役、ある時は脇役になり登場する。錯綜するエピソード、バラバラにされた時間軸。これらが魔術の様に見事に組み合わされた時の快感。タランティーノの天才的な脚本構築力には驚かされる。ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ブルース・ウィリス、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス…。出演者達も極めて豪華でそれぞれキャリアベスト級の演技を見せている。新時代を切り拓いた天才クエンティン・タランティーノの最高傑作だ。
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