むぅ

何という行き方!のむぅのレビュー・感想・評価

何という行き方!(1964年製作の映画)
3.8
「お金なんていらない。愛が大切。いつも一緒にいたい」

質素でもいつも笑顔に溢れた家庭を望むシャーリー・マクレーン演じるルイザ、けれども何の因果か結婚する人する人、成功して莫大な遺産をルイザに残し次々と亡くなってしまう。
そんなルイザが4人の男性との結婚と死別を繰り返した過去を振り返る所から物語は始まる。

何という映画!
その結婚生活を、様々な映画をパロディにして再現。
最初の夫とはサイレント映画
2番目の夫はフランス映画
3番目の夫はハリウッド映画
4番目の夫はミュージカル映画
楽しい。そして豪華。それぞれのペアで映画1本撮れるのでは。

シャーリー・マクレーンの衣装が次々に変わるのもまた楽しい。
100着とはいかないまでも、確実に50着以上はあるのではないか。
そして"ミュージカル映画"のダンスが上手くて驚いてしまった。
『あなただけ今晩は』で緑色のタイツをそんなにキュートに着こなせる人はそうそういないだろうな、という印象が強かったのだが、調べてみたらバレエ学校を出て16歳でブロードウェイでダンサーとしてデビューという経歴の持ち主だった。納得。

色々な映画を思い出すし、それをまた観たくなるのも楽しいところ。そして、監督かプロデューサーか分からないけれど、この映画の製作陣に聞きたい。
これって「この映画は色んな映画をなぞる演出にしよう!」ではなくて、「色んな映画のパロディを登場させる映画を創りたい!」から始まったのではないですか?と。

一番笑ったのは"ハリウッド映画"のあらゆるクレジットが「金に糸目ナシ」だったところ。

"金に糸目ナシ"が出来る人生にそこまで憧れはないけれど(いや、出来るならもちろんしたいけど)、必要最低限よりはちょっと多めにお金はあって欲しいと思うし、今作を観ていて莫大な遺産を残されたら、ホームシアターが欲しい・好き放題舞台を観たい・目玉が飛び出る値段のワインを飲んでみたい・いつもお世話になってる人達と「今日は私の奢り」と盛大に飲み騒ぎたい、と欲望は尽きないので
「愛は大切。でもお金も大切。」
という、そりゃそうだろという結論に至ってしまった。
私はルイザにはなれない。
むぅ

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