むぅ

オータム・イン・ニューヨークのむぅのレビュー・感想・評価

3.1
容疑者は....
「ほんの出来心だった。もう9月だというのに外に出るために気合いが必要なほど暑いのに、ショーウィンドウのマネキンが軒並み秋の装いになっているのを目にし、君たち熱中症になるぞ!と腹を立て、その後に立ち寄ったスーパーで金麦の秋味を見つけた際には心がときめくという矛盾した心情を、これはレビューのネタになるぞとほくそ笑み、それだけのために、さほど興味のなかった秋と言えば?で思いついた今作を観るという犯行に手を出した」
などと申しており...

そもそもこの容疑者は、恋愛リアリティーショーは好むが今更ラブストーリーには興味が無く、観るにしてもドロドロっとした恋物語を好むという歪んだ習性を持っており、また常日頃から「こすったら消せるくらいの薄めの顔立ち、甘口よりは辛口の顔立ちが好みだ」と周囲の人間に触れ回っていたようですが、独身貴族を演じるリチャード・ギアには何の責任もない事は分かっていながら、好みではない事を理由に「おいこらオッさんよ、そんなに上手くいくかね」「前から思ってたけどコリー犬に似てると思うんだよねと思ってたらハロウィンパーティーで犬の仮装してるじゃないか」などとルッキズムを全開にして絡み倒した模様です。
また友人からの「その独身貴族がリチャード・ギアじゃなくて佐々木蔵之介とか鈴木亮平とか綾野剛だったら良かったんか」という問いかけに対しては「う、みんな結婚してるもん」と意味不明の返答をしたとの情報も寄せられています。

また警察のちゃんと鑑賞したのかという取り調べに対して「刹那的な恋愛を繰り返してきた48歳の裕福な独身貴族ウィルは、奔放な22歳のシャーロットと出会う。遊びのつもりだったウィルだが、シャーロットが余命1年もないと聞かされて動揺し、彼女に本気になっていく。そんな中、シャーロットはウィルの過去を知り...」とFilmarksのあらすじをまるっと拝借する発言をしたので、取調官が追求した所「Filmarksじゃない!U-NEXTからだ!」と主張したため、この度調査が入りFilmarksとU-NEXTのあらすじが全く同じである事がついでに判明しました。

また先程入りました情報によりますと
・飲食店のオーナーであるリチャード・ギア演じるウィルに対し、キッチンに入る時にはその襟足は結ぶか、例え自慢のサラサラロマンスグレーであってもワックスで固めるべき
・ウィノナ・ライダー演じるシャーロットにどんなに可愛くてもキッチンのシンクに座るのは反対だ
・50歳でしょ?と言われてた際に48歳だ!と枯葉を踏みながらスネる様子は22歳からみたら48歳も50歳も同じだって、何なら私から見ても変わらんてと思いながらもちょっと可愛かった
・ウィルが公園の柵を軽やかにまたいだ様はちょっとカッコ良かった
・ジャケ写でウィルが持っているのは杖だとずっと思っていたが傘だったので、そこは悪かったと思っている
などと供述している事が判明し、文句を垂れながらも最後までちゃんと観た事は事実のようです。

「毎年毎年、暦のうえでは秋だけど暑さゆえに夏服を着続け、やべ、もうほぼ冬じゃん先取りだと早めの冬服に切り替えるので、結局毎年着るのが楽しみな秋服がないから映画くらいは秋を先取りしたかった」
という反抗動機がこの犯罪の焦点になる模様です。

以上、秋のニュースでした。



※何よりも衝撃なのは、初見だと思い込み鑑賞したが、その昔ウィルとシャーロット程ではないにしろ年上の恋人と鑑賞しオープニングで寝てエンドロールで起きて「お、面白かったね?」と言って叱られたのが今作であったのを完全に忘れていた件。
むぅ

むぅ