砂場

都会のアリスの砂場のレビュー・感想・評価

都会のアリス(1973年製作の映画)
4.0
ヴェンダースのロードムービ

アメリカを旅するドイツ人、やたら写真を撮る男フィリップ(リュディガー・フォグラー)車でラジオを聴きながら移動。モーテルにてイラついてテレビ破壊。ニューヨークに到着、ドイツに帰るのである。
一ヶ月かかって写真は撮れたが原稿が書けない、編集者には帰国して書くと言い訳する。ところがドイツ行きが全便欠航。仕方なくアムステルダムへまずは向かうことに。空港で母リザ、娘アリスと出会う。元カノの家に行くも出て行って、助けられないわと拒否られる。仕方なく母娘の部屋に転がり込む。帰国日にリザはアリスを置いて男のもとへ消えた。先にアムステルダムに行っててとメモ。アリスはそんな予感がしてた。フィリップとアリスは二人はアムスに向かう。お腹ペコペコ、こんな安っぽい店いや、ホテルに戻る不機嫌な二人、風呂場でフィリップ「怖いんだ」
「どんな怖さ?」「怖さに種類が?」「あるわよ」翌日の便にもリザは搭乗していなかった、なぜママは来ないの、、、、トイレに篭って泣くアリス。おばあさんのところに行くか?でも住所は知らない思い出せない、、町の名前を順番に言ってゆく、そうだブッパータールだ!
おばあちゃんの名前は?知らない、街についたが見当がつかない。結局宿に泊まる。不安なアリスにハリネズミのお話を聞かせる。結局ブッパータールではなかった、、、フィリップはあきれ警察に引き渡す。
チャックベリーのライブに出かける。アリスがホテルにやってきた。警察で聞いたらルール地方だった。車でおばあちゃんの家を探す二人。家を見つけたがすでに別の人が住んでいた。公園で出会った女の家に泊めてもらう二人。新聞によると警察が二人を探している、なぜ君たちは警察から姿を消したのかね?祖母の場所がわかった、母親も帰国しているとのこと。
母のいるミュンヘンまで向かう二人、車内の新聞でジョン・フォード死すの報。フィリップは物語を書き上げることができるか、、、

16mmのアレブレ写真風のルックは結構好き。
ただ前半はイマイチのれず、これは「寅次郎ハイビスカスの花」でも思ったけど、ロードムービーで飛行機の移動ってなんかしっくりこなくて。
ただアリスのスカジャンがとんでもなく可愛く、そこはガツンとくる。
CANのサウンドはメランコリックで良いと思う、攻撃的でないので風景に溶け込んでいる。本作の主人公は行き当たりばったりでそういえばCANのダモ鈴木加入もかなり行き当たりばったりだよなあ。

本作でもアメリカ風味はやはり強く出ており、チャックベリーやジョンフォード。フィリップがアメリカで乗ってた車もバニシングポイントっぽいモデル。

しかしあの母親ネグレクトだよね、アリスが強く生きることを祈る。
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