ヤスミン・アフマド監督の作品は、2年ほど前に観たタレンタイム以来。亡くなられていることも知らなかった。Filmarks でヤスミン監督特集の存在を知り、これは行かねばと思って行って来た。Filmarksの皆さまに感謝である。
まずは、素朴なのに洗練されたオープニングクレジット。短編アニメーションのようで、とてもよかった。
マレー系少女オーキッドと中国系少年のジェイソンの恋模様が描かれた本作。マレーシアがどんな国なのかほとんど知らずに観たため、初めて知ることも多かった。テレビ番組や、音楽、服装、若者達…マレーシアの人々の生活を、少し垣間見たような感じがした。
他の方もおっしゃられているように、2人が恋に落ちる場面は印象的で、心に焼きついた。相手から目を離せなくなってしまった瞬間が、静けさとともに切り取られているようだった。とても素敵だった。2人の表情が、すごくよい。デートも可愛らしくてよい。あんな風に写真撮ってみたい！月下香ってどんな香りなのかしら…
タレンタイムを観た時にも感じたけれど、独特な雰囲気が作品に漂っている。柔らかいフィルム映像や、静けさのせいだろうか。ほっと落ち着く、空気を感じる。
これを観た後、オーキッド3部作なるものがあることを知った。そしてこれは最初の作品。こ、これは…2、3と観たいじゃないか！なんとか制覇したいものである。
8/23最終日に2度目の鑑賞。グブラ、ムクシンを観た後に再びこの作品を観ると、切なさがこみ上げてきた。グブラのラストや、ムクシンの凧揚げのシーンを思い出して、オーキッド、幸せになって、と改めて思った。10月から今度は全国で公開だというニュースも今日飛び込んできたし、また観に行こうかな。
