すいか

アイダよ、何処へ?のすいかのレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
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戦争のむごさ、非条理さを見せつけられるつらい映画だった。観ようと思いつつ、ちょっと元気なときにと思っていた作品。自分の元気とかあんまり関係なかった。

あらすじにもあるように、ボスニア紛争で起こった1995年のスレブレニツァの虐殺を描いた物語である。内側(虐殺される側)からみたあの時の状況が、ドキュメンタリーのように克明に再現されている。普通の国同士の戦争も辛いが、これは、内戦である。同じ町に住む、隣人が、隣人を殺すのだ。

当時私はちょうど小学生だったわけだが、ボスニア紛争のニュースは毎日ニュースで流れていたように思う。けれど、やはりどこか遠くの国で起こっている、非日常の世界だったのである。そして、いつしか記憶の奥底に沈んで、もう忘れていた。
今回、映画とはいえこのような現場の空気感を感じ、不安や、絶望や恐怖をまるで自分のことのように体験した。戦争を知らない私にとって、どんなかたちであれ、過去に起こった辛く悲惨な出来事を知っておくことは必要だ。そう改めて感じる作品であった。

6本目
すいか

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