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ニュー・シネマ・パラダイスのninaのレビュー・感想・評価

4.5
『人生はお前が観た映画とは違う。人生はもっと困難だ。』

古き良き時代とはよく言ったもので、本当に70年代80年代の映画は最高です。妙な小手先で勝負するのではなく、真っ直ぐに伝えたいことだけを映画に詰め込んでるから。なぜこの映画が映画好きに評判が高いのかすごくわかる。
今でこそキスシーンもポルノも当たり前に映画館のスクリーンで観れちゃうけど、昔はキスシーンが観れるだけで観客から拍手があがってたなんて知らなかったし、現代しか知らない私にはそんな時代が羨ましくキラキラ輝いて見えた。

トトは映画好きの全人類そのもので、親に怒られながらも試写室に行くことがやめられず、映写機の使い方も見ただけで覚えちゃうほど、映画がとにかく好きで好きでたまらなかった。トトを見て、私も初めて映画を観たときに感じた恋に似たような胸の高鳴りを思い出した。親からよく「あんたは映画ばっかり見て!」って小言言われるけど、そんなの言われながらでも映画を観ることはやめられなかったし、今でも映画を観る前はまるで恋人に会う前かのようにワクワクするし、とにかく映画が好きで仕方ない私にとてもよく似ていると思った。

映画館でもう一年以上映画を観てないけど、この作品を観ると本当に映画館が恋しくなった。様々なバックグラウンドを持つ名前も知らない人たちと、一つの作品を同じ空間で観て、自分と同じように感動したり笑ったり、自分とは全然違う解釈をする人がいたり。そんな奇跡みたいな当たり前の空間がとても恋しくなった。

アルフレードとトトの関係もすごく好きで、特に幼少期に一緒に自転車に乗ってるシーン。おじいちゃんを思い出してそれだけでほろりときた…笑
トトを思うからこその言葉がたくさんあって、その言葉をかけられた当時のトトは、言葉の意味全てを理解してたとは思えないけど、最後にアルフレードからの贈り物を見て、アルフレードからの愛をしっかりと感じたんじゃないかなぁ。
また何回でも観たい映画です。
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