このレビューはネタバレを含みます
武士と町人の対立構造を描いた作品。
「すまじき物はなんとやら」という言葉が後々に活きてくる。
最後のシーンは圧巻。まあ武士の体面はともかく、町人一人になんてだらし無い連中だろうなとは思う。あれじゃ「たがや」だよ。
橋蔵が踊る奴さんは明らかにズレてて一瞬踊りが下手なのかと思ったが、そのすぐ後に、酒もない宴会で騒ぐ馬鹿馬鹿しさに嫌気が差して、踊るのを止めてしまう。カラ散財に乗り気じゃなかった訳ね。大体梨園の出で他の俳優より踊りが下手な筈もなく、要所要所で見られる橋蔵の、こういう芸の細かさに感心する。
藤原釜足上手いなあ...血気にはやる若侍を物ともせずに、武家社会を扇子一本で表現する老獪ぶり。
音楽は「炎の城」と同じく伊福部昭。大名行列でフリゲートマーチの編曲が流れるのは笑った。
江利チエミ声は良いがヒロインは合わない。