さすがデル・トロ監督である。
メキシコ映画なのに、ロドリゲス作品のような汗!太陽!!の雰囲気は全くなく、むしろ、『クリムゾン・ピーク』のような中世ヨーロッパ感漂う。
さらに、最新作『シェイプ・オブ・ウォーター』のファンタジー感といった、唯一無二さが既に表れており、この辺がデル・トロがデル・トロたる所以。
また、本作は吸血鬼映画だが、後に同ジャンルで『ブレイド2』を撮ったことを考えると、この人の引出しの多さに驚かされる。
その中でも特筆すべきは、やはりクロノスの造形とギミックである。
クロノスの中にいる"もの"、そして、それにより異形の存在に変貌していく主人公と、彼に寄り添う幼女の対比も実にデル・トロらしい。