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[Focus]のRのレビュー・感想・評価

[Focus](1996年製作の映画)
4.5
すごいなー。こんな嫌な気分になる映画なかなかない。しかも96年の時点で全編POVの映画ってかなり珍しいのでは。浅野忠信演じる無線傍受オタクが、公園でテレビの取材インタビューに答えてるシーンから始まる。無線や電話や盗聴器などの音を拾って人の会話を聞くのが趣味なんだけど、だからと言ってそれを悪用しようとかいうつもりのない、無害なフリーター君なのです。けど、まぁ褒められた趣味ではないので、テレビに出るのも条件つき。顔は出さない、個人を特定できるようなものは一切映さない、などなど。局側はレポーターとカメラマンと助手の3人。このカメラマンによる撮影のみでストーリーが進んでいく。カメラマンはいろいろ喋りもするので、声だけは演技もしてるてことっすね。そんな感じやからワンカットがかなり長く、最初のインタビューのシーンとかみんな演技すごい。レポーターが、とにかく自分の手柄のために面白いものをとらなきゃと思ってて、条件をやぶって、顔の口元くらいいいじゃんとか言って撮影したり、住んでるマンションの近くまで行って撮影したり、どんどん悪ノリして厚かましくなっていく様子がほんと気分悪い。〇〇してくれないと困るよー、といろいろ注文をつけだし、だんだん浅野忠信ももーやめてくださいよー、最初から条件つけたじゃないですかー。いや、それだと困るんだよー、みたいなムカつく問答の繰り返し。うぜー。と思ってたら、突然、受信機がヤクザの会話を傍受。駅のロッカーに拳銃が隠されているようで、何もしない方がいいですよと言い続ける浅野忠信と、警察に届けましょうよと言う助手を遮って、行って確かめよう、を押し通すレポーター。果たして、駅のロッカーに拳銃はあるのか…ってとこからとんでもない事件へと展開していく。この辺から一気に地獄みたいな状況になっていくスリルがすさまじい。ドキドキが止まらない! 息が苦しい! 浅野忠信が最初からオタクの演技が自然すぎて、ほんま演技うまいなーと思ってたんやけど、後半はさらにすごい!!! こんなやついたらマジでヤバい! けど、めっちゃいそう! レポーターの、世間を敵に回すぞ!の発言に対する応酬は本当にすばらしくて、思わず拍手を送りました。最高! カメラマンと不思議な協力関係が生まれるのも面白かった。とにかくレポーターが嫌い過ぎてむちゃくちゃ気分悪なった。女の子のトバッチリシーンはほんにむごい。こんな酷い映画見て喜んでるオレって…ってなりました笑 まーでも終盤はざまーみろだ。もっとコテンパンでもよかったよ! 若干音楽の音量デカ過ぎかなーというのが気になったシーンもあったけど、音楽自体はすごく好きやった。ほんで何とも言えないエンディングね。いやー。ヒドい。また見たい。
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