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戦う幌馬車のHKのレビュー・感想・評価

戦う幌馬車(1967年製作の映画)
3.3
ジョン・ウェインとカーク・ダグラス、大スターの二枚看板西部劇。
原題は” The War Wagon”ですが、この邦題だとちょっとイメージが違います。
本作に出て来る馬車は幌馬車ではなく、砂金の護送のため、車体は鉄板で覆われ砲塔にはガトリング銃まで装備した装甲馬車です。

その装甲馬車の襲撃を計画するメンバーが主役の2人を含む金庫破りや爆破の名人、インディアンなどの混成チーム。
珍しくJ・ウェインは護衛側ではなく襲う側で、K・ダグラスも初めは敵と見せかけて仲間。
そういえば本作のバート・ケネディ監督は後の『大列車強盗』でもJ・ウェインに列車強盗させてますね。

当時60歳のウェインと51歳のダグラスが颯爽とした銃さばき馬さばきを披露。
序盤で恐れ多くもこの二人相手に銃で挑んで瞬殺されるチンピラの一人に当時31歳のブルース・ダーン。
ダーンはこの2年後には同監督の傑作『夕陽に立つ保安官』にも出演、さらにその3年後に『11人のカウボーイ』では本作のお返しとばかりにJ・ウェインを撃ち殺す役で話題に。

悪玉の親分を演じたブルース・キャボットはあのモノクロ『キング・コング』の主人公。
『アニーよ銃をとれ』のハワード・キールは本作では黒っぽいメイクでインディアン役ですが、この頃はまだ主要なインディアン役は白人がメイクして演じてましたね。
ウェインの仲間の一人キーナン・ウィンは翌年には『ウエスタン』に出演。
他にメキシコの盗賊エミリオ・フェルナンデスも発見。
後に監督となるハル・ニーダムも出てるそうですが顔をよく知らないので特定不能。

バート・ケネディ監督はどちらかというとコメディが得意でジェームズ・ガーナー主演の『夕陽に立つ保安官』は大好きですが、本作は笑いもアクションもいまひとつ中途半端でモノ足りず。尺をもう少し詰めて90分前後にすればテンポもよくなったかも。
昔のハリウッド西部劇のお約束、酒場の大乱闘シーンを見たのは久しぶりでした。

朝の宿のシーン、隣室のウェインを訪れ下着にガンベルトで髭を剃っているウェインを見て、「下着のときもガンベルトを着けてるのか!」と言ったダグラスが、自室に戻ってガウンを脱ぐと自分もしっかり下着にガンベルト(笑)。
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