すいか

顔のすいかのレビュー・感想・評価

(2000年製作の映画)
3.6
高校生の頃話題になってて、題名だけは知っていたこの作品。20年近く経ってスクリーンで観ることになった。

妹殺しで逃亡する女性と、彼女が逃亡先で出会った人々と織りなす人間模様を描いている。
ほとんど引きこもり状態で、身なりにも気を使わず妹から馬鹿にされる女が、妹を殺し、罪から逃れるために素性を偽り、生活のために新しいことに挑戦して、おしゃれもして、男性経験もして、皮肉にも新しい自分に目覚めていく。
その悦びと、つきまとう妹への罪悪感。追われているという強迫観念。藤山直美が、コミカルさとシニカルさのバランスを絶妙に保ち、演じていた。深刻なのに妙に明るく、現実ってこんな感じなのかなって思いながら鑑賞。
「別に許してもらわんでもええよ。」
女が何度か言う。その全て諦めたような台詞が、妙に頭に残った。

國村隼さんと藤山直美さんは、確か朝ドラで夫婦役を演じていて、とても合っていた記憶がある。この作品の後だっただろうか。
今作中も、形は違えどナイスカップルだと思った。
すいか

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