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街のあかりのろのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
5.0

「人間には絶望という事はあり得ない。人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また『絶望』という観念にも同様にあざむかれる事がある。」
(「パンドラの匣」太宰治)


会社の人間関係が上手くいかない主人公コイスティネンさん。
いつか起業して見返してやる、決意を胸に生きている。
そんなある日、思いがけず犯罪に巻き込まれてしまう。


バーの外に犬、手綱は柱に括り付けられている。
震えながら怯えたような目で、こちらを見ている。
コイスティネンさんは犬を助けようと、グッとウォッカを呑んで、巨漢に立ち向かう。
バーの裏につれていかれるコイスティネンさん。
カメラがずっと動かないからこちらもじっと待つ。
まだ戻ってこない、大丈夫なの?
1秒ごとに不安が募ります。

正義って、いつも勝つとは限らないじゃない。
みんながみんなアンパンマンにはなれないし、顔を取り換えてくれるバタコさんもいない。世の中そんなに都合よくできていない。
だけど、結果が分かっているから諦めるって、それもちがうんだよ。
勝っても負けても気が済むまで向き合う。
それはきっと、じぶんの心にとって、大事なことなんだ。


わたしはね、主人公のコイスティネンさん、どこまでもポジティブだと思ったの。
犯罪者として捕まって、視線が痛く突き刺さっても、生きる目的を新たに見出す。
半殺しの目にあってボロボロになっても、人の温もりを感じて弱弱しく微笑む。

そうか、コイスティネンさんだけじゃない、みんなそうなんだ。
どれだけ深く堕ちても、光を見失わない。たとえ、光っているのか分からないぐらい弱い光だとしても。


冒頭で引用した「パンドラの匣」はこう続きます。

「人間は不幸のどん底につき落され、ころげ廻りながらも、いつかしら一縷の希望の糸を手さぐりで探し当てているものだ。」









( ..)φ

7ヵ月ぶりに家族以外の友人Iちゃんと会いました。

昨年末にラインのアカウントを消してから、手紙のやり取りしかしていなかったのだけれど、地震をきっかけに、連絡することができました。

はじめ話していると、息継ぎが出来なくて苦しくなったり、緊張と興奮から吐きそうになったり。
でも、病気のメカニズムを話したり、呼吸法を実践しているうちに、すーっと楽になっていきました。
やっぱりパニック発作は一定時間しか持たない(長続きしない)んだな、ちょっと安心しました。

病気のことも家族のことも、たくさん聴いてもらってうれしかったし、言葉に詰まったり考えているときに待ってくれたのが、本当にありがたかったです。
こういう「だいじょうぶ」体験、だいじだなぁ。







( ..)φ

昨日、やっとガスが復旧しました。
といっても、予定より3日もはやくてビックリ。
今回は九州の西部ガスさんが応援に来てくれたそうで、熊本の職員の方が復旧のお知らせに来られました。

あたたかいシャワーも食卓に並んだお味噌汁も、たくさんの人の温もりでできている。
じーんときちゃうね。













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