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LOFT ロフトのshihoのレビュー・感想・評価

LOFT ロフト(2005年製作の映画)
3.1
疲れた女と、憑かれる男と
浸かれた女と、憑く男と。

泥沼の中から発見された、千年前の女のミイラを取り巻く男女達のストーリー。

雰囲気はいい。音もいい。
ご丁寧にも幽霊が出る時「出るよ〜」って先に音が教えてくれる(笑)ので、ビックリさせられるの嫌いな人にも優しい仕様となっております。

なんだかホラーゲームのSIREN思い出した。田舎と水場と古い家屋くらいしか共通点ないけど笑
(ところでSIREN知ってる方、もし完全映画化するとしたら、今よりもう少し若い頃の西島秀俊こそ、宮田役に適任だと思いませんか?笑)

黒沢清の映画には、極端に名前のついた登場人物が少ない。
それなのに、今作はなんだか纏まりがないように感じた。
退屈な前半を乗り越え、唐突に「動」がくる後半は逆に芝居がかり過ぎていて置いてけぼりにされる。

役者は皆良かったと思うけど、
ホラーというには物足りないし、
ミステリーというにもミステリーしてないし、ラブストーリーにしては愛は何処にもない為、
多くの方が評しているように、私もそれに倣って「メロドラマ的」としか言いようがない(笑)

それでは各登場人物たちと俳優陣への感想を。(ほぼネタバレなし)

・礼子(中谷美紀)
芥川賞作家として華々しくデビューしたものの、スランプで次作の執筆が進まない。精神的なものからくる体調不良に悩まされ、狭いアパートから郊外の古い一軒家へ引っ越しをするが…。

中谷美紀さん、演技は安定感ある。
ただタイプじゃないのであんまり…だった。(話し方のクセが気になる)
細い体に花柄のノースリワンピースも素敵。ただね、そんな草の覆い茂る中でそのカッコは、毎日ブヨとか蚊の餌食になると思うよ笑
その緑の中の古いでかいおうち、トトロみたいで素敵だけど、毎日蜘蛛さんをはじめ大小多種多様な虫類に出会えそうだねっ((´д`)) ブルブル…むり絶対むり。

・木島(西島秀俊)
礼子の担当編集者。彼女のことを気遣い引越しの手配までしてくれながらも全ては作品執筆させるためというどこまでも空虚で掴めない気持ち悪さがあった。
神出鬼没で、話し方は彼のキャリアの中でも随一と言えるほど棒読み。
(多分これはわざと笑 というか監督からの指示があってのものだと思う)
登場シーンから違和感ありまくりの赤いシャツや花柄のシャツなど際立ったファッションセンスを見せつけてくるが、これも狙ってのものだろう。

・吉岡(豊川悦司)
礼子の移り住んだ家の裏にある廃れた研究所に女性のミイラを持ち込んだ考古学者。
悩み病むトヨエツがかわいくもあり、お気の毒でもあった。
脚が長い。スタイルいい。
ただ考古学界的にすげぇ大事であろうミイラをお姫様抱っこで運ぶなw
そんで車に普通に載せるなw
固定して!せめてシートベルトしたって!それ多分凄く脆いから!!
まぁ弊害ありまくりのミイラでもトヨエツが一晩預かって下さいって言うなら1回のデート権と引き換えに預かってあげてもいいわ。

・謎の黒い服の女の幽霊(安達祐実)
安達祐実さんの話す声はじめて聴いたけど、可愛いお声ですね…笑!!
なんか少女のまま大人になったみたいなアンバランスな魅力がありますわ。
でもこの方結構エラ張ってるのね(ちょっと気になった笑)
ただ最後のシーンの彼女を見られたら、あぁ適役、これ見れて良かったと思った笑
佇みながら下を指差して、体がところどころ欠けていくシーンは良かった。

中学生くらいの頃見た時の感想
「意味わからんしつまらん!」

今の感想
「ストーリーの概要はわかったけど、
だからなんなんや…?」

って感じです(笑)
黒沢清監督作品の中でもこれはオススメ出来ないなぁ(笑)
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