神戸典

ファースター 怒りの銃弾の神戸典のレビュー・感想・評価

ファースター 怒りの銃弾(2010年製作の映画)
3.5
ドライバーとして銀行強盗の仲間だった男は見事強盗を成功させたが家に着くとそこに待ち伏せていた別のギャングが乗り込んできて仲間は殺された。
そして、義理の兄を目の前で殺される。
ドライバー自身も後頭部を打たれるが間一髪で意識を取り戻した。
10年間刑務所で過ごし、釈放されるとドライバーはすぐさま兄を殺した男たちに復讐を始める。

この作品の後半で、ドライバーが復讐をやり遂げようとするたびに車のラジオから聞こえるのは神父の許しを問うスピーチだ。
この作品において一番のメッセージは許しだろう。
例えば義理の兄に直接手を下した黒人には息子がいて、過去の行いに許しを請う。
黒幕だった警官は妻や息子に許しを請い、新たな生活を求めた。
そして、ドライバーは自身の兄の命を奪った男たちを許すかどうかが試された。

中には自分の過ちを認め謝り、相手を受け入れる姿勢を見せたことによってドライバーの銃弾を免れた男もいた。
基本的にドライバーは善人として描かれる。
しかし、そんなドライバーのような善人でも人は過去の傷について許せないことも出てくる。そんな許しについての葛藤や受け入れ、そして受け入れたことによる欺きなどが描かれていて、考えさせられる作品となった。
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