神戸典

君の膵臓をたべたいの神戸典のレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.5
クラスで人気者の山内桜良と地味なクラスメイトの僕は出逢うべくして出会い、2人だけの秘密を持つことになる。

誰とも関わらず自分の世界を守ってきた僕にとって桜良の元気で強くて勇敢な姿勢は自分にはないもので、ミステリアスな部分もあり徐々に惹かれていく僕。
それは仲良しを超えて好きという気持ちに発展するが作品の中では明確に言葉になっていない。
付き合いたいとかそういう域を超えて、僕にとって桜良は生き続けていてほしい存在となっていた。
桜良との出会いが他人に興味のなかった僕を成長させていた。

桜良から受け取ってばかりだと思っていた僕、桜良が勇敢で強いと思っていたが、実は桜良も僕のことをとても勇敢だと思っていたし、僕からもらった死ぬまでの素敵な日常はなによりも嬉しい贈り物であった。

この作品は桜良との関わりの中で大切なものを学んだ僕。
僕にとって桜良が今も心の中に共に生きているということ。
得るだけではなく僕も同時に桜良に幸せを与えていたということ。

そして誰にとっても1日は同じ価値であるという事を伝えている。

演出としては現在と過去の切り替え方がうまかった。
携帯のバイブの音だけを流し時代が入れ替わる。違和感もなく過去と現在の繋がりも感じた。
神戸典

神戸典