30年代のアメリカ舞台劇に名作を多く生み出した名作家Lヘルマンの半生を綴ったストーリー。
当時から政治的な活動に活発だったヘルマンを基に、彼女の親友ジュリアと彼女を支えたハメットとの関係を、ナチスの猛威を振るった激動の時代とともに描いた壮絶な物語です。
オスカーに11部門ノミネートされただけあって、ストーリー性や時代描写が丁寧で、よくできている。それは、ヘルマン自身の作品に近いテイストを含めた演出を織り交ぜていることから現れていると思う。
リリアンを演じたJフォンダはジュリアに影響を受けた部分やリリアン自身の性格を上手く演じていた。
政治活動に身を捧げる、リリアンの掛け替えのない存在ジュリア役のVレッドグレーヴは芯のある女性を体現しつつ、時にミステリアスな雰囲気を醸す姿はオスカー受賞も納得の演技。
歴史や人物を基にしている為、初見では理解に難しい部分は多々見受けられるが、知識を入れて観ると、その上質なストーリーをしっかり堪能できる作品です。