物語の核となるテネンバウム家の紹介。
その後に映し出されるそれぞれの22年後の姿。それに合わせたキャストの紹介。このオープニングだけでも画期的な演出が盛り込まれている。
テネンバウム家の大黒柱ロイヤルはひょんなことから疎遠になっていた家族との関係を修復すべくあの手この手で奮闘。妻は元より3人の子供とも接触するがそれぞれ問題を抱えていて……。
ちょっと変わった家族の物語を鬼才Wアンダーソンらしい毒のあるコメディムービーを製作。セットや映像の色彩の温かいタッチからまさに絵本のような雰囲気に仕上がった。
脚本には本作にも出演しているコメディ俳優Oウィルソンも共同で携わり、お互いの力量を更に高めている。
ホームドラマの設定らしく、家族それぞれにしっかりスポットライトが当たっている。けれどごちゃごちゃ感がないことがそのまとまった脚本を表していると思う。
頑なに父を拒むBスティラー、目に生気がないGパルトロウ、最後の最後に爆弾をぶち込むLウィルソン。強烈な個性の人物達がキャラ渋滞を起こさずに話しが進むので、いい意味でどれも印象深い。
強いて言うなら演者の座長(?)である名優Gハックマンのダメ父っぷりが秀逸だった。不器用なりに頑張る姿に応援せずにはいられない！
Wアンダーソンが仕掛ける、可笑しくもシュールな世界観が広がる大人の為の不思議な家族の物語です。
