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グリフターズ/詐欺師たちのBaMbIのレビュー・感想・評価

グリフターズ/詐欺師たち(1990年製作の映画)
3.6
裏社会で働き主に馬券の詐欺を生業とするリリー、伝説のイカサマ師の技を使い人を騙すリリーの息子ロイ、恋人で自身の美貌を使って人を騙すマイラ。そんな3人が織りなすスリリングなクライムドラマ。

オープニングの3人のそれぞれの仕事っぷりを映す描写はそれぞれの人物像をわかりやすく解説しており、後半も3人の人間性を生かした展開になっていた。

持ち前のテクニックを使った騙し合いのサスペンス。というよりはどちらかというとドロドロの人間ドラマに近い印象を受ける作品。けれど巨匠Mスコセッシが製作に関わっていることもあってシリアスなストーリーの展開は秀逸なもの。

見所は主要人物を演じる俳優陣の若かりし姿。

あどけなさ残る甘いマスクの演技派Jキューザックの気張りながらも完全な悪に染まりきれない演技。
Aベニングの体を張り、思いっきりセクシーを炸裂させた大胆な演技は必見。

けれどリリーを演じたAヒューストンの演じ分けがすごかった。裏社会で生きる顔、ロイに対する母親の顔、そしてロイに対するいけない感情をのぞかせる顔。それぞれの顔を場面ごとに演じ、時にそれを交錯させる姿はまさに彼女の役者魂の凄みを感じる。

静かながらも緊迫した雰囲気をしっかり漂わせるクライム映画の佳作です。
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